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HARDY MARKSMAN 3/4

先日SNSを見ていると、HARDY MARKSMAN 3/4のクリック用バネが破損して、クリッカーも紛失してしまった。リペアできないでしょうか?との投稿があり、

Retro Rod&Reelの上田さんに相談してみては?とのコメントが何件か寄せられており、当人とメッセンジャーでやりとりして、リールを送付いただきました。

 

このリールはフレーム内の大口径ベアリングにより、スプールを固定して回転させる中々斬新なリール構造をしております。

 

クリック用のバネはピアノ線を折り曲げて対応しようと考えておりましたが、クリッカーについては紛失とのことで....。

って、これ昨日のブログに書いたような....。

まあいいや、それでネットでクリッカーの形状を検索して、おおよその形状を図面化してとりあえず一度加工してみました。

 

スプール裏面側にクリッカーをセットして、手曲げのピアノ線で作製したバネを取り付けてみたが、クリッカーがギヤにかすりもしません。

本体の穴からクリッカーとギヤのクリアランスを目測して、再設計して、再度テスト加工してみました。

サイズ的には問題ないようですが、ピアノ線で作製したバネが強すぎてクリックがきついのです。

 

ピアノ線で何とかなると目論んでいましたが、何ともなりません。

板バネとなる材料がないかと家中を探してみました。

ふと、工具箱を覗くと、メジャーがあったので、このメジャーを分解してみるとなかなか良さげなゼンマイバネが出てきましたので、これをカットしてい食べバネ形状に整えてスプールを回すと、いい感じになりました。

 

クリッカーはテスト的に加工したのでジュラルミンで作製したので、硬い材料に変更して作り直します。

現物あわせでの加工だったので数回の試作を覚悟しておりましたが、案外あっさりと形状を導き出すことが出来ました。

板バネについては、どの程度の寿命なのか予測できませんが、同じバネ材だし、形状自体も単純形状なのでそんなに疲労が蓄積するような形状ではないと思うので、長持ちすることを祈ります。

単純形状なのであれば、オーナーさん自体が交換できるのではと思い、メジャーのゼンマイバネをカットしてリールに同梱しておきました。

カットして使用すれば3個分程度の板バネを作製できると思います。

 

と言うことで何とか修理完了となりました。

SNSでコメントされながら修理できませんでしたとなると結構恥ずかしい思いをしそうなので、何とか修理できて一安心です。

修理はこうしてブログに掲載することで、ネット検索で、MARKSMAN クリック修理、板バネ等のワードで検索するとヒットできると思うので、どこかで困っているフライマンに届けば嬉しいです。

 

今回はメジャーのゼンマイバネを使用しましたが、当然のことながらメジャーそのものもバネ材です。

と言うことで、バネ材に関してはこれを使用すれば相当数の修理ができるのではないかと思うのですが、MARKSMAN以外のリールの板バネは結構厚みがあり、強力な板バネを使用して、バネ長さを確保した使い方をしているので、余り出番はないかもしれませんが、これも何かのヒントになればと思い、掲載いたしました。