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PEERLESS 1A

PEERLESS 1A デザイン的に洗練されていて、どんなロッドにも良く似合う。

 

マシンカットされたボディは加工精度も高く、良いリールだと思います。

を紛失したとのことで加工依頼がありました。

 

このリールは右巻き仕様です。

何度も言いますが、私はこのリールを右巻き用として使用する分には違和感はないのですが、左巻きとして使用する場合、このS字ハンドルの向きが気になってしまうのです。

左巻きとして使用する場合にはS字ハンドルの表裏を反転させ、ノブとカウンターウエイトを取り付け直せばよいのでしょうが、そのようには出来ない構造になっています。

 

日本と欧米では生活習慣も異なるので、S字ハンドルに関しても違和感がないのかもしれませんが、その場合は右巻きに違和感を感じることがあるのかもしれません。

 

手前味噌ですが、私の作製するリールはS字ハンドルを巻き方向によって取り付け直しております。

勿論自分で交換することも可能です。

 

PEERLESS 1Aのセンターネジは以前に何度か加工したことがあります。ネジサイズはNo.4-UNCだったと思います。

このサイズのダイスを持っていないので、旋盤によるネジ加工プログラムを作成して加工しています。

 

ネジ加工プログラムがあればボタン1つでネジが加工できると思われるかもしれませんが、ネジきりするバイトの先端形状、材料等によって同じプログラムで加工してもネジが微妙に異なり、きつすぎたり、ゆるゆるだったりするので、まず同一材料でテスト加工を何度か行い、加工条件出しを行なっています。

今回も2度ほどテスト加工して条件を煮詰めました。

 

次の依頼に備えて何個か予備のネジを加工しておけば良いのでしょうが、なかなか在庫ばかり増やしても....なので、注文ごとに細々と加工を行なっているのです。

Netで調べた画像を参照して外径形状はそれらしく加工しました。

 

ネジ1個なんて簡単と思われるかもしれません。

しかし、実際の作業は、Netで調べた画像を参照して外形の図面を作成(手書き)

次に材料の端面加工を行ない、ネジ部となる外径2.8mm程度、長さ7mm程度の円筒パーツを加工します。(この時にテスト加工用のパーツも加工します)

 

ネジ加工のテスト加工を行ない、条件が出たら本チャンの加工を行ないます。

ネジ加工後、必要長さに切り出して、外径形状を整えます。

軽く研磨した後、スリワリ加工(マイナスネジ頭部分)を行ない、研磨して完成です。

これだけの作業は時間にして2時間程度かかります。

ところで私は現在59才 会社員だった場合50万円程度の月給があると仮定しましょう。

160時間/月だとすると、時給は3125円となります。

 

2時間の作業時間が掛かったので、時間給6250円+材料費 しめて6500円となります。

と本来であれば請求するところだと思うのです。

でも依頼者側の立場から言えば、ネジ1個で6500円なんてあり得ない。

となるのです。

 

だからその半額以下程度の価格で加工を行なっていますが、この修理依頼が多ければどんどんと生活を圧迫してくるのです。

かと言って、見積もりは出来ません。加工に要した時間×3125円+材料費を請求しますでは、なかなか修理依頼をしようと思わない訳です。

 

修理は半分ボランティアと常日頃から言っているのはこう言うことです。

でも、本来ボランティアは自分の可能な範囲で行うべきものだと思うので、修理は受け付けますが、納期は長くとって、空き時間があるときに加工するようにしていこうと考えております。

 

解禁に間に合わせたい修理はお早めにご用命ください。

これから年末にかけて、ロッド作製、リールの加工、Goods加工等々色んな加工がわんさかとあります。