· 

FARLOWリールフットの加工

FARLOW リールのリールフットが大きすぎてお気に入りのロッドにセットできないので加工して欲しいとの連絡がありました。

 

ハーディーリールも然りなのですが、古いパーフェクトリールなどは、リール本体とリールフットの接合面は本体のR形状に合わせたR形状のリールフットになっています。

 

このR形状の加工に関しては、やったことが無いのです。

3次元設計で図面作製は簡単にできるのですが、加工に関しては3次元加工はほとんどやったことが無いので、まだまだ未知な部分が多いのです。

 

そんなわけで、リールフットがR形状の場合は引き受けないようにしているので、フット形状を確認して欲しいと回答したのです。

 

すると、フットを外すことが出来なかったとのことで、ネジ止めされている部分をドリルで揉んで取り外したとのことなのです。

 

ネジを壊して取り外して、なおかつリールフットはR形状だったのです。

壊したフットがある以上何とかしなければとの思いで、リールを送って頂きました。

 

フットは長さ85mm、幅18.55mmでした。

R形状のリールフットを新たに作製することは難しいため、現有のリールフットを加工するこちで対応しようと考えました。

まずはリールフットの長さは62mmにしたいとの連絡があり、フット幅も13mmにしたいとの依頼だったのですが、全体幅を13mmにするとリール本体に固定するネジ穴と干渉するので、リール本体に固定する部分はそのままに、ロッド金具に収まる部分の幅を13mmになるようにフットを輪郭加工しました。

 

ご存知のようにフットはテーパー状になっているので、フット長さが短くなると厚みが厚くなるのです。

輪郭加工が終わったフットの端部の厚みは結構厚く、手持ちのロッドには装着できませんでした。

テーパー加工が必要なのです。

 

フット裏面のRに合うパイプを準備して、リールフットの固定ねじ穴を利用してパイプにネジ止めして旋盤に取り付けられるようにしました。

 

テーパー加工に関してはNC加工プログラムを作成して加工できるようにしました。

結構ドキドキの加工なのですが、何とか加工できロッドに装着してみると無事に装着できましたので、ツールマークを消すために研磨して、バリを取り除きました。

 

他にノブがひび割れして一部カケがあったのでノブも作り直しました。

全体的にノブが大きかったので、少し小さめに加工したのですが、そうするとザブトンのサイズが合わず、ザブトンも作り直しました。

ノブはエボナイトで加工しています。

と言うことでフットのサイズ変更加工と、ノブの加工を行ないました。

 

どうなることかと思いいましたが、何とか加工することができ、また一つ加工の引き出しが増えたような気がしています。

 

また、フットのR加工に関しても時間は掛かると思いますが加工は出来るのではと思っています。

近々テスト加工してみようと考えております。