12月になるとなんだかせわしない気持ちになってくるのはいつものことで、今年も残すところ20日余りとなっています。
グラスロッドとバンブーロッドを各1セット作製完了させなくてはならず、毎日コツコツと作業を行っています。
バンブーロッドの作製工程などは巷にあふれており、今更公開するところなどほとんどないのですが、私は竹割を行なった後に切り出し小刀でおおよそ60°の角度になるように削っています。
なので、ラフプレーンで60°の角度を出す作業などは行いません。
おおよその角度を出した後に曲がり直しを行ないます。
なぜこのような工程にしたかと言うと、曲がり直し時に無駄な部分が多いとアルコールランプでの加熱に時間が掛かるのと、曲がり直しに力が必要になるので、出来るだけ短時間で曲がり直しに必要な熱を必要部分にだけ与えられるようにしたいからです。
曲がり直しは節の前後を表皮に対してX方向の曲がりを修正して、節間を修正して、節の曲がりを修正してから表皮の厚み方向の曲がりを修正するようにしています。
一度にX,Z両方の修正をしようとすると曲がりが判りづらくなるので、分離して曲がり直しを行なっています。
曲がり直し後には荒削りを行ないますが、この工程で変わったことと言えば、仕上げプレーンで荒削りを行なっている位です。
荒削り用のプレーンは角度があまりないので、竹辺に喰い込むことがあるので、角度の付いた仕上げプレーンで粗加工を行ない、仕上げ削りも同じプレーンで削っています。
火入れに関してもビルダーさんにより色んなレシピがあると思いますが、私は165℃で20~25分で火入れを行なっています。
火入れ途中で3回ほど向きを変えてムラが出ないようにしています。
火入れの装置は、アルミのロッドケースにリボンヒーターを巻き付けて、その周りにグラスウールを巻き付けて、ステンレスの煙突に入れ込んだ構成にしています。
このリボンヒーター方式は設定温度までの加熱時間が約10分で昇温するので、実質30分程度で火入れが終わります。
一番いいところは、アルミのロッドケースにリボンヒーターを巻き付けているので、ブランクを直接加熱するのではなく、周囲からの輻射熱での加熱なので庫内の温度村が小さい事だと思っています。
音が一切しないので、夜間でも火入れが出来ます。
さらに、火入れ途中でもステンレスの煙突はほのかに暖かい程度にしか熱伝導しないところも気に入っています。
火入れは伸びない麻紐が良いなどどいわれていますが、ブランクは火入れにより縮みますので、伸びないこといいかもしれませんが、熱により締まるような材料が良いのかもしれません。
私は麻紐に拘ってはおりません。
スクレッピングはプレーンを使用せずに、平やすり1本で行っています。
平やすりは細かなプレーンのように削ることができ削り過ぎることが無いので自分には合っていると思っています。
スクレッピング時点では、仕上げ削りよりも約1~1.5mm程度幅広のブランクなので、この状態で完全に平らになるまでスクレッピングするとパワーファイバーまで削ることになってしまいます。
理想は幅方向両端に0.5mm程度のスクレッピングしていない領域があるくらいでスクレッピングはストップし。その部分は仕上げ削りで削り落とされるようにすることです。
また、ブランク接着後の接着剤落としでも多少表面を削ってしまうので、その分を見込んでおいても良いかもしれません。
今日は仕上げ削りが終わり、接着まで終わったので、ブログを更新する時間が取れました。
数日間接着剤が硬化するまで放置なので、明日からは、グラスロッドのラッピング作業に入ります。
ラッピングは肩こりしますが、静かな時間でもあるので、音楽を聴きながらの優雅な時間でもあるのです。
作りたいものがいっぱいあるけど時間が足りないというなんとも幸せな師走のひと時を過ごしています。