
HARDYやORVISリールは本体のフレームとスプールとの隙間が小さく、リールフットのネジが少しでも飛び出しているとスプールに干渉し、スプールが収まらなくなります。
リールを落下させたり、転倒すると多くはノブが破損したり、リールフットにダメージが出ることが多いようです。
ORVISのリールフットは案外小さいネジで本体に固定されており、このモデルはNo.2-UNCのネジサイズでした。
No.2は約2.1mm径のネジです。
今回の依頼はこのリール本体側のメネジの山が無くなって締結強度が確保できないとのことで、ネジの変更依頼です。
特にインチねじに拘らないとのことだったので、元のネジ穴を下穴としてそのままタップ加工できるM2.6のタップ加工を行なうことにしました。
タップ加工に関しては、、タップを食いつかせる際のタップの角度に注意すればさほど難しい事はなく、タップ加工できます。
フットの裏面にはネジの座グリ穴があり、座グリ径は4.0mmです。
M2.6mmの丸小ねじの頭径は4.5mm程度なので、外形を少し削ってφ3.9mm程度の加工します。
ネジの頭を加工する際に、ネジ自体を旋盤の主軸にチャックするとねじ山がつぶれる恐れがあるので。。丸棒にM2.6mmのタップ加工をおこない、そこにネジを締め込んだ状態でネジ頭の外径加工を行ないます。
ネジ長さは、初めに申し上げたように、シビアに管理する必要があります。
ネジの頭を主軸にチャックして加工すると加工中にネジが振れてしまい加工できません。
今回ネジ長さは約4.5mmなので、ネジ長さ6.0mmのネジの1.5mmを加工したいのです。

加工したいネジ長さと同じ長さに丸棒をカットして、M2.1mmのドリルあ穴加工を行ない、続いてM26mmnタップ加工を行ないます。
旋盤にこのメネジパイプを固定して、M2.6mmのネジを締め込んでいきます。
マイナスドライバーでしっかりと締め込んだらチャックを緩めて加工したいネジが主軸から飛び出すようにチャックします。
後は左仕上げバイトでメネジパイプと面一になるまでネジを加工していけばよいのです。
加工後にネジを取り外して、実際にリールにネジ止めして、ネジ長さを確認し、長いようであれば、メネジパイプとネジを一気に加工して必要長さに加工します。
2個目のネジはメネジパイプと面一に加工することで、所望長さのネジに加工できます。
このような簡単な治具を作製することでネジ長さを必要長さに加工することができます。
メネジパイプはネジ頭径よりも大きくすることに注意してください。
以上、ネジ長さ調整方法でした。