
Ijuin RodのYomogi 4'04" #2 1pcsロッドを少し延長して、4'10"の4ピース化したことを5/16のブログに書きましたが、このロッドは製作途中に欲しいという方が現れました。
また、完成品をSNSなどでも紹介したら私も欲しいというフライマンが現れましたので、引き続きYomogi 4’10” #2 4pcsを作製することにしました。
最近も相変わらずリールの修理対応が多く、ノブの加工、クリッカーの加工、ドラグの不調修理等があり、遠くジョージア州からも加工依頼がありました。
田植え等もあり、6月は結構忙しくしていますが、とりあえず田植えが終わったことで少し肩の荷が下りたような気分です。
さて、1ピースのロッドをぶった切る作業はなかなか神経を使う作業で、リカバーできない作業は何度も確認しながらの作業になります。
昔仕入れていたブランクはカットした状態ままオスフェルールを接着して納入されていました。
メス側は自分で追加作業でカットした部分を旋盤で綺麗に整えることができるのですが、接着されたオス側はどうすることも出来す、やがてそのブランクを使うことはなくなりました。
仕事は出来るだけ早くこなすほうがいいに決まっているのですが、それはあくまでも及第点以上の仕事の場合であって、仕事が速いだけでがっかりする仕事であれば、時間を掛けてでも及第点を目指すべきだと思うのです。
これは、納入業者に対しての感想で、自分の場合は、相手の想像する仕上がりの一歩上を目指いしています。
私が思うに感動と言うのは想像を超えた時だと思うのです。
想像通りの仕上がりであれば満足はしても感動はないのです。
反対に想像以下の場合は、がっかりされてしまうのです。
こういう仕事をしていて一番つらい事は相手にがっかりされることなのです。
だから、少し仕事に時間が掛かったとしても自分の納得する状態までしっかりと作り上げることが重要だと思っています。
効率化は大切ですが、そのために大事なことを無視してしまってはリピートして頂けないわけで、ほんの少しでも期待以上のモノづくりを目指さなければ生き残れない世界なのです。
ですから、ブランクをカットしたら当然のように端面を旋盤で整えてからフェルールを接着しています。
当然ながらフェルールの端面もしかり、目るフェルールへの入込深さもすべてのセクションで同様の深さになるように調整しています。
このような小さなことの積み重ねが絶対に必要で、それを省いてまでスピード仕上げを目指すのであればそんなメーカーとは付き合いを止めたいと思っています。

納得する仕事としてガイドフットの成形もその一つです。
写真上は購入後のガイドフットの状態です。
この状態でもラッピングは可能なのですが、フットの幅、長さ、形状にバラツキがあります。
私はシルクスレッドを使用してラッピングしているのでエポキシをコーティングするとスレッドが透けてガイドフットが丸見えになるのです。
ガイドフットはダイヤモンドやすりで幅、長さ、形状を整えて研磨しています。
「見えている部分に手を抜くビルダーは見えていないとことは当然のように手を抜く」
これはよく言い当てているような気がしています。
先ほどリカバーできない工程は色々と確認すると言いましたが、リカバーできる工程については、納得できなければやり直す勇気が必要なのです。
何分か、何時間か、あるいは何日か後戻りすることになるかもしれませんが、納得できないモノを作り上げて評価を下げることが一番ダメなんです。
なかなか後戻りすることは躊躇われますが、勇気を持ってリカバーすることが大切です。
これは27年ビルディングをやってきて学んだことです。
この学びは当然リール作りにも生きています。
少しでも期待を超えるとそこには感動があるのです。
そのために勇気を持ってリカバーする。
これ大事です。
Yomogi Rodはスピゴットフェルールのすり合わせまで完了しています。
明日からコルク接着の予定です。