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Glass Rod wrapping

依頼のあったグラスロッドをラッピングしています。

ブランクは依頼者と相談を重ね、Ijuin RodのYomogi  7'11" #5 4pcを選択いたしました。

若葉が芽吹く一番いい季節に草木の芽吹く若草色のブランク「ヨモギ」  日本人の奥ゆかしさすら感じるネーミングです。

 

ラッピングスレッドも相談を重ねたどり着いたグリーンに赤いトリミング

グリップ周辺に関してはお任せいただきました。

ワインディングチェックはつけたいとのご希望を受け、加工いたしました。

 

フックキーパーは特に指定いただきませんでしたが、グリップ周辺を引き締める効果があり、私自身はつけたい派です。

正直、ラッピングはめんどくさいですが、めんどくさいことはいつも続けていることで当たり前に変えていきたいのです。

 

フックキーパーは自作で、0.2mmn洋白板を細く切断して加工しています。

 

ラッピングは、フックキーパーのリングが収まる部分はラッピングしていない片方のフックキーパーを少し持ち上げた状態でシルクスレッドを潜らせながらラッピングしていきます。

リングの下部分のラッピングが終わると、リングを入れて、少し浮いた先端部のフックキーパー部分をラッピングしていきます。

 

飾り巻は緑、薄緑、赤の順で4回繰り返してラッピングを行っています。

このブランクはサンドタイプ(ブランクを研磨していることを指します)で表面に塗装をしているので、スレッドが滑りやすいのです。

また、グリップ周辺のブランク径が10.5mmあり、径が大きいほど巻きにくいのです。

トリムを巻いてもハラリとバラけることもあり、忍耐が必要なラッピングなのですが、物音のしない静かな時間は私の仕事では比較的少ないので、楽しみながらラッピングしています。

各、ガイド部分やジョイント部分にもトリミングを入れているので、このロッドのトリム数は44か所になります。

ラッピングが終わるとシルクスレッドのケバを取り除くために、アルコールランプにラッピング部分を回転させながら数秒間炎に晒して、ケバを焼き切ります。

グリップ部分のマスキングテープはこのアルコールランプに晒す時にコルクが黒ずむのを防ぐために巻いています。

 

エポキシコーティングは最初は結構薄め液で粘度を低下させ、筆でエポキシをスレッドの触れさせると一気に吸い込む程度に希釈しています。

 

1回目のエポキシコーティングが硬化したら、スレッド表面のエポキシの小さな凹凸をデザインナイフで取り除きます。

スレッドをカットした部分などに少し盛り上がった部分ができたり、焼き切れなかっらケバやごみの付着等によりエポキシがわずかに盛り上がったりするので、丁寧に取り除きます。

 

2回目のエポキシも1回目と同様の粘度でコーティングし、硬化後同様にエポキシ表面の凸部分をデザインナイフで1つずつ除去していきます。

結構この作業には時間がかかりますが、これをやるとやらないとでは仕上がりが大きく変わってしまいますので、丁寧な仕事を心掛けています。

 

ラッピングの綺麗さは結局のところ、表に出てこない裏方の作業をどれくらい丁寧にやるかにかかっていると思っています。

 

SNSでいろんな方がロッドビルディングを行った投稿を拝見しますが、ラッピングの工程をしっかりとやっているビルダーはやはり日本のトップビルダーの方が多いです。

 

私も少しでもトップビルダーに近づけるよう、時間を惜しまず、雑にならず、やり直す気持ちを持って、丁寧にいろんな工程を進めていこうと考えています。

手を抜いているビルダーの何倍も時間がかかると思いますが、その手仕事は圧倒的に他のビルダーとは違って見えるものです。

掛けた時間は正直です。

 

ビルディングを始めた当初に師匠に言われた言葉

「コスメに手を抜くな!」

ガラスケースの中に鎮座するロッドを眺め、手にとってみたいと思うのは、やはり見た目が綺麗なロッドなんだと!

ガイドフットの削り方、ラッピングの丁寧さ等は手に取らずとも確認することができる。

その見える部分に手を抜くビルダーは、他の見えない部分でも当然手を抜く!

 

見える部分を手を抜かず丁寧に仕上げているロッドは一目見ただけでわかる。

後工程はお客様だと思って仕事をしなさい!

 

申し半世紀以上前の話で、本人にこの話をしても覚えていませんでしたが、私の心の中には今でも重くその言葉は宿っていて、私のモノづくりの原点になっています。

 

たかがラッピングではないのです。