フライリールの修理が、Retro Rod&Reelの仕事の1つの柱になっているようで、
Retro Rod&Reel&Repairとなっているような感じです。
修理に関しては、そんなに材料費が高額になることはないのですが、いつ修理依頼が来るのかが読めないのが一番困るところです。
基本修理に関しては3000円/時間+材料費みたいな感じなのですが、中にはリールが到着して、いろいろと確認したけど、修理不能という場合が一番困ってしまうのです。
そこそこ時間はかかっているけど修理できていないので修理代金を頂けない状況というのがたまにあるのです。
これに関しては、少し修理の進め方を考えたいと思っています。
さて、最近の修理について話したいと思います。
Hardy UD8000LAのスプールが外れない。また、両方向でドラグがかかっているとのこと。
この時は良くあるワンウェイクラッチの固着だろうと考えていました。
リールが到着して確認してみると、ドラグを最強にしたぐらいの重さでやっとスプールが回せる感じ。
どうやらセンターシャフトとスプールが固着しているようなのですが、このリールはスプールのセンターネジキャップが外れない構造になっています。
この構造はキャップの紛失がないので重宝されるのですが、反面、固着したシャフトに潤滑剤を流し込むことができません。
とりあえず、リール裏面からばらしていきます。
このモデルはドラグの部のハーディーの王冠部分がドラグノブに接着されているので、この王冠部分を丁寧に取り外します。
王冠を外して、マイナスネジを時計方向に回して取り外します。(左ネジです)
スプールを反転させるとスプールが外れます。
スプールが外れてもセンターシャフトはスプールに固着したままです。
ドラグ部分を分解して、潤滑剤を大量に投入して2晩ほど放置しておきました。
二日後スプールを回すがまだまだ固く、旋盤にスプールを固定してセンターシャフトを芯押し台で引っ張るというトライをやってみました。
芯押し台のハンドルを戻してセンターシャフトを抜くように力をかけると少し動いたような感じがしました。
チャック部分をゆっくり回すとシャフトは固定されたままスプールが回ります。
このまままた芯押し台でゆっくりとシャフトを抜く方向に回すと、ゆっくりとシャフトが抜けました。
抜けたシャフトは一部に光沢があり、この部分が固着していたことがわかりましたので、少し研磨して固着のない状態にしました。
ドラグ部分やセンターシャフトの固定ネジやドラグノブ等を組みなおして、修理完了です。
次はHardy Perfectのリールフットの加工です。
3 7/8サイズで、リールフットのRは45.5mmだったので、リールフットをR43mmに加工しないといけません。
まずは円筒状のリールフットの中央部分をフラットに加工して、その後3D加工でR45.5mm の放物線状に加工していきます。
実際には、寸法を採寸、図面化、プログラム作成が必要で、加工は円筒状の真鍮棒を切断し、端面加工、ドリル穴加工、中ぐり加工、外形加工、フラット加工、曲面加工、穴加工、輪郭加工、裏面座グリ穴加工、研磨、組付けの工程が必要になり、結構な時間がかかってしまいます。
時間がかかるので、その分値段はかかってしまいますが、フットの加工は無事完了いたしました。
お次もリールフットの加工です。
これもPerfectと同様にリールフットをR面加工が必要で、このPrincessリールはR43mm に加工を行ないました。
リールサイズによってR面の大きさが異なりますので、作りだめすることもできず、なかなか大変な作業になりますが、このフットも何とか加工することができました。
上記3つの修理が終わったのですが、修理の間に新たな修理依頼が2件ほど入っております。
その他、金具の加工依頼、バンブーロッドの加工依頼等が残っており、5月中までは色々と予定が詰まっています。
6月からは、新リールの製作期間にしたいと思っていて、今までとは趣の異なるリールを作製予定です。
急な修理依頼が飛び込んでくることも想定されますが、新リールの作製が今から楽しみです。
