セレーション加工だけで理解できた方はバンブーロッドビルディング経験があるか、バンブーロッドへの造詣が深いフライマンだと思います。
バンブーロッドのフェルールの後端部分に薄い刃で切れ込みを入れていますが、その加工をセレーション加工と言います。
金属フェルールにはセレーション加工が施されていることがほとんどです。
では、なぜセレーション加工が必要なのか?
しなやかなベンディングカーブを描くバンブーロッドにメタルフェルールを装着すると、弾性体と剛性体との接着になり、その境界部分に応力が集中して、ロッドが破損する恐れがあります。
ですから、フェルールの後端部は徐々に肉厚を薄くして、なおかつセレーション加工を行なうことでバンブーロッドのベンディングカーブに沿って境界部分も変形するようにしているのです。
境界部分の変形のしやすさについては、フェルールの長さ、肉厚、セレーション深さ等によって変わってくると考えられます。
このセレーション加工はバンブーロッドの面の数に合わせます。
例えば六角形であればセレーションの数も6か所という具合です。
写真のように薄いノコギリ刃で1か所ずつ切り込みを入れていきます。
加工効率的に言えばこのノコギリ刃の回転中心をフェルールの延長線上に配置して、1回の切り込みで2か所のセレーション加工をすればいいと思うかもしれません。
私も以前はそうして加工した経験があります。
でも、今は1か所ずつの加工に変更しました。
なぜかというと、2か所同時加工を行なうと、片側はダウンカットに対して、もう片側はアップカットになってしまうのです。
肉厚を薄く加工したフェルール端部はアップカットすると薄い金属がめくれあだる方向に力が加わり、実際にめくれることがあったのです。
何事も効率優先は大切ですが、効率よりも品質だと思い知らされたのです。
さて、私の使用しているセレーション加工治具ですが、六角形の真鍮棒にドリル穴加工をおこない。その内径に合うパイプを加工します。
パイプ外径はドリル穴径で、パイプ内径はフェルール外径に合わせて加工します。
そのパイプの一部をカットして、Cコレット形状に加工します。
フェルールを挿入して写真のように虫ネジでCコレットを締め込んで固定します。
あとは六角形の外周を利用してセレーション加工していけば6等分のセレーション加工ができます。
セレーションを入れる位置や、角度を気にすることなく加工できるので、重宝しています。
このように普段は表舞台に出ることのない治具類が結構存在します。
リールの加工ではもっとこのような治具類があります。
このCコレットはNCフライスのコレットチャックに合わない場合にも重宝します。
例えば、海外の小型ビットは軸径がφ2.32mmだったりしますが、コレットは4mm用しかなかった場合Cコレットの内径2.32mm、外径4mmのCコレットを作製して使用しています。
簡単な加工で重宝するので、覚えておくとよいと思います。
いろんな治具類の加工に関しても相談いただければ対応できると思います。
