リールシートフィラーですが、私が最初にバンブーロッドを作製したときに気にしたことは、フィラー長さでした。
個人的にはフィラー長さはリールが収まる最低限の長さである方がかっこいいと考えています。
写真のようにコルクグリップとリングとの間に距離があると間延びしたような感じてかっこよくないのです。
リールを載せる面は偏芯加工されていますが、この部分にギリギリリールシートが収まるのがかっこいいと思っているのです。
しかしながら残念なことにリールシートの長さや厚みはメーカーごとにばらつきがあるため、私の言うギリギリサイズのフィラー長さでは装着できないリールが出てきてしまうのです。
仕方なく、デザイン的に許せる範囲でフィラー長さを伸ばしたりするんですが、写真のような間抜けな感じは許せないのです。
SNSで釣り上げたトラウトがネットに横たわり、そのそばにお気に入りのロッドとリールが添えられている写真を毎日よく見かけますが、どれも間延びした構成になっているロッドばかりなのです。
汎用性を考えた場合、どんなリールでも装着できるのが望ましいのでしょうが、フライフィッシングの場合は美学があっていいと思っています。
対象魚ごとにロッドの番手が変わるように、ロッドごとに装着できるリールに制約があっても良いと感じています。
私の場合は自分の作製するリールと一番バランスが良い長さのフィラーにしています。
もし、バンブーロッドを作製依頼する際には、使用するリールを伝えてそのリールが一番バランスよく映えるフィラー長さにしてくださいと伝えるべきだと考えています。
至近距離から、中距離、ロングキャストまでこなせる万能ロッドと言うのは、素晴らしいようで、実はどの距離においても中途半端なロッドだったりするのです。
ですから自分のスタイルに特化したロッドを選ぶみたいに、自分の美学に合わせたフィラー長さが存在します。
どんなリールも装着できる万能フィラーはどんなシールを装着してもしっくりこないフィラーだったりするのかもしれません。
バンブーロッドはリールの装着も含めたその全体バランスが自分のデザインの美学にマッチするかが重要だと感じています。
デザイン的にフェルール部分が膨らむのに抵抗があるために、スーパースイスタイプのフェルールではなく、あえてステップダウンタイプのフェルールを装着しようと考えているような人間には、フェルール部分がボッコリと膨らんだ竹やらグラスやらのフェルールを美しいとは感じないし、その膨らんだフェルール部分全体に巻き付けられたスレッドも汚く感じてしまうのです。
フェルール部分も竿と同じように曲がるのでタオに一体感が生まれるとかいう人がいますが、長いフェルール全体にスレッドを巻き付け、エポキシで固められたものが同じように曲がるとは思えないのです。
100年も前から先人たちは色んなロッドを作製し、またいろんなフェルールにチャレンジし続けてきたんだと思います。
新素材が出たら、その素材でフェルールを作ったらどうなるだろうか?
ビルダーであればだれもそう考え、トライしてみたんだと思うのです。100年もの間ずっと。
そうして。現在に残った有名なロッドは、カーボンフェルールですか? グラスフェルールですか? バンブーフェルールですか?
トライすることは良いことだと思います。トライなくして成長はないと感じていますが、それは先人たちの通ってきた道を遅ればせながら歩いているだけなのかもしれません。
デザインが全てではなく、アクションあってのデザインであることは重々承知していますが、アクションの為ならデザイン無視というのは違うと思っているのです。
トータルバランスが大事で、美しいものを作りたいと思っています。
所詮道具ですが、全体美の整ったものを作りたいと思っています。
